古木鬱蒼と繁り自然の幽境観音霊地にふさわしい天下の景勝地

岐阜県下最古の寺で、大日山日龍峯寺と称し美濃西国三十三ヶ所一番礼所の観音霊場。俗に高澤観音と呼ばれ、本尊千手観音菩薩は商売繁盛家内安全、安産子授けなどでよく知られ、毎月第三日曜日の本尊命日には、参拝者も多く盛況しています。この寺は海抜283m高澤山の山頂に位置し、この山より眺める飛騨、美濃、伊吹、養老の連山は限りなく美しく、数百坪に及び境内は古木鬱蒼と繁り自然の幽境観音霊地にふさわしい天下の景勝地。本堂は、五間四面入母屋造り檜皮葺で山頂傾斜地の岩上に建立われています。前方は舞台造りで京都の清水寺によく似ており、美濃清水の異名で世に知られています。鎌倉尼将軍北条政子寄進の本堂は、惜しくも応仁文明の乱により戦火の犠牲となり焼失し、現在の本堂は寛文十年(江戸時代)の建造物です。

 

国の指定重要文化財で鎌倉時代を代表する全国屈指の建造物

鎌倉時代に全国で旱魃により飢饉が多く困惑していた時、尼将軍の北条政子の夢枕に神龍が現れ「美濃にある日龍峯寺に池がある。法華経を十部写経し供養して、そこの池に納めれば降雨があるだろう」というお告げがありました。北条政子はお告げのとおり道運という高僧に命じて供養すると雨が降って、五穀が実り飢餓を免れました。北条政子はこれを喜び、将軍家よりその謝礼として荒廃しつつあった七堂伽藍が再興されたと言われています。この多宝塔は、鎌倉時代を代表する全国屈指の建造物で、昭和二十五年には国の重要文化財指定を受けております。

 

岐阜県下最古、両面宿儺伝承の寺

日龍峯寺の寺伝によると、仁徳天皇の時代(五世紀前半)、飛騨の国に両面宿儺(りょうめんすくな)という豪族がおり、両面宿儺は当地の豪族として権勢を誇っていました。この異人が天皇の叡聞に達し都に上り、御対面したその帰り美濃加茂野ヶ原で休憩していると、どこからともなく鳩二羽が不思議なさえずりをなして高沢の峰に飛び去って行きました。異人が不思議に思い里人に尋ねると、『高沢の山脈に山脈に池あり、神龍住みて近郷の村人に危害を及ぼす』と聞き、はるかの峰に登り大悲の陀羅尼を唱え神龍を退散させこの峰に寺を開創したと言います。岐阜県にはいくつか両面宿儺の伝承が残っておりますが、日龍峯寺のものが県下最古の伝承であると言われています。

名称
大日山日龍峯寺(高澤観音)
場所
〒501-3521 関市下之保4585番地
駐車場
100台
お問い合わせ
0575-49-2892
webサイト
http://www.takasawakannon.com

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