関市「ふる里農園 美の関」の知られざる歴史。新スポット「かえる堂」誕生の背景を探る

関市の人気スポット「ふる里農園 美の関」に、新しく「かえる堂」という展望台が誕生しました。

今回は、かえる堂に込められた思いや、ふる里農園 美の関のこれまでの歩み、そしてこれからの展望について、代表の粟倉さんにお話を伺いました。

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関市「ふる里農園 美の関」の知られざる歴史。新スポット「かえる堂」誕生の背景を探る

2026年9月に誕生!新スポット「かえる堂」

ふる里農園 美の関の敷地内に、2026年9月から一般公開された展望台「かえる堂」。

階段を上がると、周囲の田園風景や遠くの山々を見渡せる、開放的な空間が広がっています。

展望台には椅子やテーブルも設置され、景色を眺めながらゆっくりと過ごすことができます。

そして、中央に置かれているのがカエルの石像。

実はこのカエルには、粟倉さんのさまざまな思いが込められているそうです。

「帰る」「変える」「考える」「蘇る」。

訪れた人がここでひと息つき、日々の悩みを忘れたり、これからのことを考えたりして、少しでも前向きな気持ちで帰ってもらえたら。

そんな願いが込められています。

かえる堂についてお話を伺っていると、話題は約20年前、ふる里農園 美の関が誕生する以前にまでさかのぼりました。

道路建設をきっかけに始まった、農園づくり

ふる里農園 美の関が生まれるきっかけとなったのは、国道248号バイパスの建設でした。

道路が通ることで、地域の農地をつなぐ道が寸断されることになり、農地の区画整理や道路の整備が必要になったそうです。

そこで、バイパスの建設と並行して土地改良事業を進めることになりました。

事業を進めるためには、地域の地権者の協力が欠かせません。

粟倉さんは約94人の地権者の同意を得るために、およそ1年を費やしたといいます。

また、土地改良事業には、事業費に見合う農業生産上の効果が求められました。

農家が生産した農産物を市場に出荷するだけでは、十分な収益を確保することが難しい。

そこで考えられたのが、農産物を生産者から消費者へ直接届ける「直売所」でした。

粟倉さんは先進的な農業施設を視察するなど、さまざまな取り組みを研究。

地元の地権者をはじめ、多くの人々の協力を得ながら、ふる里農園 美の関の開設へとつなげていきました。

建設中に発見された、土地に眠る歴史

農園の建設を進めるなかで、思いがけない出来事がありました。

工事予定地から、数多くの遺跡が発見されたのです。

発掘調査では、縄文時代や弥生時代、古墳時代など、複数の時代にわたる人々の暮らしの痕跡が見つかったといいます。

その規模は大きく、工事が約1年延びるほどだったそうです。

今では農産物が並び、多くの人が訪れるこの場所にも、はるか昔から人々の暮らしがあったことがわかります。

さらに、この地域には軍用機を隠すための飛行場があったという歴史も残されています。

地元の高校生たちが当時の様子を調査し、地域の人々の証言などをもとに、その歴史をまとめたそうです。

戦時中の様子を直接知る人は、年々少なくなっています。

粟倉さんは、こうした地域の歴史を埋もれさせることなく、次の世代へ伝えていきたいと話してくださいました。

地域の人々とともに歩んできた、ふる里農園 美の関

現在、ふる里農園 美の関には、約180人の出荷者が関わっています。

地元で育てられた新鮮な農産物が並ぶ直売所のほか、市民農園や農業体験など、さまざまな取り組みが行われています。

なかでも印象的だったのが、子どもたちの芋掘り体験です。

関市内だけでなく、各務原市などからも保育園や幼稚園の子どもたちが訪れ、年間約1,000人が体験しているそうです。

芋掘りには地元の老人会の方々もボランティアとして協力しています。

土の中からサツマイモを掘り出す喜びや、自然のなかで過ごす時間。

子どもたちにとって、普段の生活ではなかなか味わえない貴重な体験となっています。

「大きくなってからも、ここで体験したことを心の片隅に残しておいてもらえたら」

そんな思いを持ちながら、子どもたちを迎えているそうです。

そして、いつかその子どもたちが親になり、自分の子どもを連れて再び訪れる。

ふる里農園 美の関には、そんな世代を超えたつながりへの願いも込められています。

ふるさとの歴史を未来へ。「ふるさとミュージアム」構想

粟倉さんが現在思い描いているのは、地域全体を一つのミュージアムにするという構想です。

「フィールドミュージアム」、そして農園の施設を「ふるさとミュージアム」として、土地の歴史や文化を伝えていきたいと考えています。

建設時に発見された遺跡や、戦時中の飛行場の記録など、これまで地域で大切にされてきた歴史を、訪れる人にも知ってもらうための取り組みを検討しているそうです。

この構想は、粟倉さんが約20年にわたって温めてきたもの。

多くの地権者や地域の人々の協力があって、現在のふる里農園 美の関があります。

だからこそ、これからは地域に恩返しをしていきたい。

そんな思いを聞かせてくださいました。

かえる堂から眺める、ふるさとの風景

粟倉さんと一緒にかえる堂へ上がりました。

目の前に広がるのは、農園の畑や田園風景、そして遠くの山々。

取材に訪れたこの日も、子どもたちが芋掘りを楽しんでいました。

粟倉さんは、この場所を訪れた人が景色を眺めながら、少しでも前向きな気持ちになれる場所にしたいと話します。

「帰る」「変える」「考える」「蘇る」。

かえる堂のカエルには、そんなさまざまな意味が込められています。

新しく誕生したかえる堂は、ふる里農園 美の関がこれから目指す、新たな取り組みの一つでもあります。

新鮮な農産物の買い物や農業体験を楽しむだけでなく、少し足を延ばして、かえる堂からの景色を眺めてみてはいかがでしょうか。

そこには、この土地で積み重ねられてきた歴史と、未来へつながる風景が広がっています。

今回紹介したスポット

【ふる里農園 美の関】

営業時間:9:00〜17:00(土日祝は16:00まで)

住所:岐阜県関市大杉567番地10 

電話番号:0575-25-1588




  • ふる里農園 美の関

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ライターコメント

みなみ あかり
関市を歩きながら出会った風景や空気感を、等身大の言葉で綴る地元ライター。
今回、かえる堂についてお話を伺うつもりが、思いがけず地域の歴史や、粟倉さんの壮大な構想を知ることができました。
一見すると別々の出来事が、長い年月を経て今につながっていることに驚きました。
何より印象的だったのは、これまでの歴史を大切にしながらも、これからの未来を楽しそうに語る粟倉さんの姿。
私自身もたくさんの元気をいただいた取材となりました。
みなみ あかり

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